2016年12月19日月曜日

テレキャスターのハイパスコンデンサとLes Paulの50s Wiring


テレキャスター独特のあの音はやっぱりセラミックコンデンサが良い気がします。

セラミックのほうが傾向として高域が暴れるという感じがしますからね。リアはかみつくようなバイト感とフロントは甘さと高域のハーモニーっていうのかな?これは当然シングルの話ですが、気持ちいい音ですよね。

そしてハイパスコンデンサ。ボリュームポットの裏から見て3番と2番の足に付いている0.001ufのコンデンサです。これが付いているとボリュームを少し絞ったときに音の高域がリークして音がこもらずにシャラシャラになりますね。まさにテレキャスターな音です。

皆さんどうしていますハイパスコンデンサ?

当然好みですが自分はハイパスを外しています。でも外すとボリュームを絞ったときに音がこもってしまします。

60年代後半からサーキットの見直しに伴い採用されたようですが結構ハイパス付きのテレキャスターは多いと思います。

自分はあまりボリュームを使わないので気にならなかったんだけど、以前ボリュームを絞っても音がこもらないレスポールを持ってたんです。後にわかったんですが、これが有名なLes Paul”50s Wiring“でした。

当然ながらこれはテレキャスターなどの一般的なトーン回路にも有効。

配線方法はとても簡単でボリュームポットの3番に繋がっているトーン回路を2番に繋ぎなおすだけです。
一般的なギブソン系の回路、トーン配線を赤丸から青丸に移すだけ

テレキャスターの回路でも考え方は同じ


3番にトーン回路が繋がっているとピックアップの信号がボリュームポットに入る前にトーン回路が繋がっているので影響が出るようです。ですが信号出口の2番にトーン回路を繋げると、ボリュームで絞った信号に対してトーン回路が効くようになるというわけです。

これは絞ってなくてもトーン回路が音に影響する証拠にもなりますね。

単純にこれだけで自然なボリューム操作が可能になります。フルボリューム時の出音にも多少影響があると思われるので音のニュアンスが少し変わる可能性があります。

作業的には非常に簡単なので興味がある人はお試しあれ!


2016年12月3日土曜日

BOSS BD-2 Mod


最近面白かった改造の一つにこのBD-2があります。発売当初すぐに手に入れたのですがどうしても気に入らなかったので手放したのを覚えています。でもたまたま目にしたMod記事で興味がわいてしまいました。これもまたかなりいい結果になったのでまとめてみたいと思います。





もとになっているのはウェブにもよく出てるKeeley氏のBlogで公開したとされる文章です。勿論実際のKeeley Mod物の一部だけの公開のようですが、十分効果があると思います。

簡単に書くと以下の通り。

ダイオードの交換、電解コンデンサの交換、入力及びトーンコンデンサの交換、ファットモードスイッチの増設、セラミックコンデンサーをシルバーマイカに交換。

それにBrian Wampler氏の記事にあったエフェクト時の低音補正の抵抗交換を足してみました。

それでは以下が詳細。


<ダイオードの交換>

まずは歪の質に関係するダイオードの交換です。D31SS1331N4002に変更。倍音を増やし、よりチューブ的なニュアンスになるそうです。

D3

続いてD7,D8,D9,D10で構成されているクリップ回路を非対称にします。D7,D8もしくはD9,D10のペアを外して一つの1N4001と差し替えます。これで1:2の非対称クリッピングになり、より多くの倍音ディストーションが出るそうです。

D7とD8をまたいで取り付ける

<電解コンデンサの交換>

C1,C6,C7,C12,C13,C15の電解コンデンサを10ufの無極性(Muse)電解コンデンサに交換する。Museの方が音響特性に優れているそうで、出音に関係するところだけ交換します。


<入力コンデンサの交換>

C140.047ufから0.1ufに交換して周波数レンジを広げることによりバイパス音の音痩せを解消します。この変更はエフェクト音には関係ないようです。


C14


<トーンコンデンサを交換、ファットモードスイッチの増設>

C1000.018ufから0.033ufに交換して低域が出るようにする。この0.033ufにパラレルで0.068ufが繋がるようにミニスイッチを増設します。これにより0.0330.0680.101ufとなりより低域が出るようになります。


上の丸がC100とC101、下の丸が増設したファットスイッチ


<セラミックコンデンサをシルバーマイカに交換>

C20,C21,C23,C25,C26の安いセラミックコンデンサをシルバーマイカに交換します。値は変えないので、大きな変化は有りませんが、音質は向上するようです。安いセラミックコンデンサは傾向として高音域が暴れる傾向にあるようで、これがKeeley Modの音の良さだ!なんて書いてあります。ノイズが減少し耳障りさが消えてスムースなサウンドになるとか。



とここまでが一般的なKeeley Modです。内容はとても簡単なのですぐにMod出来ます。確かにかなり音は変わりますし使える音になります。

でもゲインを上げていくとFuzzのように低域がつぶれだします。この現象を解消する確信をついたWampler氏の記事見つけました。なるほど!そういうことだったのかーということで早速抵抗の定数変更。



簡単に説明するとBD-2の回路内に伝統的なFenderアンプのトーン回路が組み込まれていて、その抵抗値から考えるとTreble0,Middle10, Bass10になってるんです。どういうことかというと、このトーン回路のおおよそのフラットはTreble0,Middle10, Bass0なんです。つまりTrebleは0でフラット、Middleは10でフラット、Bassは10でマックス。EQで表現すると低域だけがブーストされていることなります。これじゃー低域が潰れるのも無理は有りません。これを見つけたWampler氏はすごいですね。というわけでこれを解消するためにR501MΩを100Ωに交換します。これでBassをゼロに絞った状態に限りなく近い値になりBassもめでたくフラットになります。もしBassが削れ過ぎてるようであれば数値を大きくしていけばBassが出てきます。実験だと大体1KΩぐらいからボトムが出てくるような感じがしたので。自分は100Ωだと物足りないので10KΩのトリムポットに変えてボトムを好みに調整してみました。


結果はばっちりでゲインを上げてもFuzzっぽい低域のつぶれはなくなりました。低域の種類が違いますが必要な時は増設したファットスイッチが役に立ちますし。
蛇足ですがトーンについて。Keeley ModC100だけ0.033ufに変えるように書いてありますが、C101の値の変更をしている方が結構いるようでした。そこで0.022uf0.047ufを試してみましたがやっぱり0.033ufが合うようで、結果C100C101は両方0.018ufから0.033ufに交換しました。そろえたほうがいいのかな?よくわからないんですけどこのほうがトーンの効きが広くなってファットスイッチもより効果的になったようです。

今回も国内外のいろいろな方のModを参考にさせていただきました。ありがとうございました!